ネタバレなし映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の感想|美と怪異が交錯する極上のサスペンス

岸辺露伴 ルーヴルへ行く サスペンス

こんにちは、映画を愛してやまないサイト管理人の「ポップ」です。

年間300本以上の映画を観続けて10年以上。

ドラマやアニメの誘惑に負けつつも、今日も素晴らしい作品との出会いを求めてスクリーン(というか自宅のモニター)に向かっています。

さて、今回みなさんにご紹介するのは、Amazonプライム・ビデオで配信中の注目作、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』です。

「タイトルは聞いたことあるけど、ジョジョを知らないと楽しめないんじゃ?」「なんか怖そうだけど大丈夫?」

そんな不安で再生ボタンを押せずにいるあなた。わかります、その気持ち。貴重な2時間を費やすなら、絶対にハズレを引きたくないですよね。

結論から言います。この映画、「美しさ」と「奇妙さ」に浸りたいなら、間違いなく観る価値があります。

漫画家・岸辺露伴が、「この世で最も黒い絵」の謎を追ってパリのルーヴル美術館へ向かう――。

ただそれだけのあらすじなのに、画面から目が離せなくなる引力がすごいんです。

ミステリー好き、サスペンス好き、そして美しい映像に癒やされたい人には特におすすめです。

この記事では、ネタバレを一切せずに、本作の魅力を余すところなくお伝えします。

  • 主演:高橋一生
  • 主な共演者:飯豊まりえ、木村文乃、長尾謙杜
  • 上映時間:1時間58分

岸辺露伴 ルーヴルへ行くの没入感が凄い

映画を観る

この作品を観始めて最初に感じるのは、他の邦画とは一線を画す「空気感」です。

現実なのにどこか浮世離れしていて、それでいて妙に生々しい。

Amazonプライム・ビデオで映画を探しているとき、派手なアクションやわかりやすいコメディもいいですが、たまには「じっくりと世界観に浸る」体験をしたくなりませんか?

この映画は、まさにそんな気分の夜にぴったりです。

物語のテンポは決して早くはありませんが、退屈とは無縁。

むしろ、静かな緊張感がずっと続くため、気づけば時間を忘れて見入ってしまいます。

なぜこれほどまでに引き込まれるのか、その理由をいくつかのポイントで深掘りしてみましょう。

ホラーや怖い描写のレベルは

タイトルやビジュアルから「ホラー映画なの?」と警戒している方もいるかもしれませんね。

僕もホラー映画の過度なビックリ演出(ジャンプスケア)は少し苦手なタイプなので、その気持ちはよくわかります。

結論をお伝えすると、本作はいわゆる「絶叫系ホラー」ではありません。

お化けが急に飛び出してきて驚かせるような演出よりも、心理的な「奇妙さ」や「不気味さ」が中心です。

「怖い」というよりは「ゾクゾクする」という表現がしっくりきます。

日本の怪談話を聞いているときのような、湿り気のある静かな恐怖。それが徐々にひたひたと迫ってくる感覚です。

もちろん、サスペンスとしての緊張感や、怪異(不思議な現象)の描写はありますが、目を覆いたくなるようなグロテスクなシーンがメインではないので、ミステリーやサスペンスが観られる方なら問題なく楽しめる範囲だと感じます。

原作やドラマ未見でも大丈夫

「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品であるため、予備知識がないと置いてけぼりになるのでは?という懸念は、もっともなハードルです。

しかし、安心してください。この映画は、完全な単独作品として成立しています。

冒頭で主人公・岸辺露伴という人物がどういう人間なのか(特殊な能力を持っていることなど)が、物語の流れの中で自然かつスタイリッシュに説明されます。

ドラマシリーズを観ていれば「おなじみの掛け合い」にニヤリとできますが、知らなくても「気難しくて変な漫画家と、その担当編集者の凸凹コンビ」という関係性はすぐに理解できるはずです。

むしろ、予備知識がない状態で観ることで、主人公と一緒に「わけのわからない謎」に直面するスリルを純粋に味わえるかもしれません。

僕の友人も原作未読で鑑賞しましたが、「普通に極上のミステリー映画として楽しめた」と話していました。

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高橋一生らキャストの演技力

この映画の没入感を支えている最大の柱は、間違いなくキャスト陣の演技です。

主演の高橋一生さんは、もはや「演技」という枠を超えて、岸辺露伴というキャラクターそのものになりきっています。

偏屈で傲慢、でもどこか憎めない芸術家。

彼の早口なセリフ回しや、ふとした瞬間の目の動き一つ一つが、画面に強烈な説得力を与えています。

彼の過去作『カルテット』や『天国と地獄〜サイコな2人〜』で見せたような、一筋縄ではいかないキャラクターの深掘りが、本作でも遺憾なく発揮されています。

そして、彼の相棒を務める飯豊まりえさんの存在も見逃せません。

彼女が演じる編集者・泉京香の明るさと、少し抜けた可愛らしさが、作品全体の重苦しい空気を絶妙に中和してくれます。

二人の会話劇はまるで極上のコメディを見ているようで、ずっと見ていたくなる心地よさがあります。

岸辺露伴 ルーヴルへ行くが描く美と謎

映画を観る

物語の舞台が日本からフランス・パリへと移ることで、映画のスケール感は一気に広がります。

Amazonプライム・ビデオのラインナップには多くの洋画もありますが、日本人が主役で、これほどまでにルーヴル美術館を「物語の核心」として扱った作品は稀有でしょう。

ここでは、ストーリー以外の「観るべき価値」である映像や脚本の魅力について触れていきます。

ルーヴル美術館ロケの映像美

本作の白眉は、なんといっても本物のルーヴル美術館で撮影された映像です。

セットや合成ではありません。

実際にパリへ渡り、誰もいない閉館後のルーヴルや、普段は立ち入れないような場所でロケが行われています。

サモトラケのニケ、モナ・リザといった名画が並ぶ回廊を、岸辺露伴が歩く。

その画力(えぢから)だけで、ご飯3杯はいけます。

「パリに行きたいけど行けない」という人にとっては、これ以上ない観光体験にもなるでしょう。

石畳の街並み、歴史ある建物の重厚感、そして美術館特有の静謐な空気。映像の色調もシックで美しく、深夜に部屋を暗くして観れば、自分も美術館の中に迷い込んだような錯覚に陥るはずです。

美しさと不穏さが同居する映像美は、まさに「眼福」の一言に尽きます。

脚本・小林靖子が織りなす世界

映画の面白さを左右する脚本を担当しているのは、アニメ『進撃の巨人』や特撮ドラマ『仮面ライダー龍騎』などで知られる名手・小林靖子さんです。

彼女の脚本の特徴は、キャラクターの心情を丁寧にすくい上げながら、観る者の予想を裏切る展開を用意する構成力にあります。

今回の映画でも、「黒い絵」を巡るミステリーを軸にしつつ、過去と現在が交錯するドラマティックな物語を見事に紡ぎ出しています。

単なる謎解きに終わらず、登場人物たちの「記憶」や「後悔」といった感情の機微に触れてくるため、観終わった後に不思議な余韻が残るのです。

派手な爆発や銃撃戦がなくても、会話と状況だけでここまでスリリングな展開を作れるのは、脚本の力が大きいと感じます。

岸辺露伴 ルーヴルへ行くの総評

最後に、この映画を観るべきかどうか迷っているあなたへ。

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、わかりやすい勧善懲悪や、スカッとするアクションを求めているときには向かないかもしれません。

しかし、「上質なミステリーに浸りたい」「美しい映像で非日常を感じたい」「知的好奇心を刺激されたい」という気分なら、これ以上の選択肢はないでしょう。

物語の結末については一切触れませんが、観終わった後、あなたの目に映る「黒色」が少し違って見えるかもしれません。

それほどまでに、この映画が残す印象は鮮烈です。

Amazonプライム・ビデオで再生ボタンを押して、岸辺露伴と共に、美と怪異が渦巻くパリの地下へ足を踏み入れてみませんか?

きっと、忘れられない2時間になるはずです。

注意

記事は投稿した当時、amazonプライムビデオで配信されていたものです。
現在配信されているか最新の状況は、必ずamazonプライムビデオサイトにてご確認をお願いします。

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