『コヴェナント/約束の救出』感想。今すぐ観るべき傑作か?
こんにちは、映画好きが高じて1日24時間では足りないと感じているサイト管理人の「ポップ」です。
Amazonプライム・ビデオのサムネイルを眺めながら、「今日は何か重厚な物語に浸りたいけれど、ハズレを引いて時間を無駄にするのは怖い」と指を止めていませんか?
あるいは、「戦争映画は痛々しいだけで苦手かもしれない」と敬遠しようとしていませんか?
もしあなたが、手に汗握るサスペンスと、言葉にしがたい熱い人間ドラマの両方を求めているなら、今回ご紹介する作品は間違いなく“当たり”です。
その作品とは、『コヴェナント/約束の救出』。
「えっ、ガイ・リッチー監督? あの軽快なクライム・サスペンスの?」と思った方こそ、この映画を観るべきです。
本作は、監督の作家性が良い意味で裏切られる、衝撃的なまでの社会派ヒューマンドラマであり、骨太なサバイバル・サスペンスに仕上がっています。
物語の核心や結末には一切触れずに、なぜこの映画が今、あなたの2時間を捧げるに値する傑作なのか。その理由を、映画オタクの視点から熱く、そして丁寧に解説していきます。
【作品の基本情報】
- 主演:ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』『ブロークバック・マウンテン』)
- 主な共演:ダール・サリム(『ゲーム・オブ・スローンズ』)
- 監督:ガイ・リッチー(『シャーロック・ホームズ』シリーズ、『スナッチ』)
- 上映時間:123分
あらすじや作品情報など、正確な情報を記載するように注意しておりますが、何分個人で運営しているため、誤りや見落としがあるかもしれません。(特に上映時間は調べる先で1~2分違うので約〇〇分としています。)記事は、わたし個人の感想からきているものです。あらゆる基準がわたしの主観的な判断のよるものなので、ご了承の上、読んでいただけると幸いです。
『コヴェナント/約束の救出』のあらすじと没入する理由

まず、この映画がどのような舞台設定で始まるのか、少しだけ触れておきましょう。
舞台は2018年のアフガニスタン。米軍曹長のジョン・キンリーは、現地の通訳としてアーメッドという男を雇います。
タリバンの武器隠匿場所を探すという極めて危険な任務の中、二人は立場を超えた複雑な関係性を築いていくことになります。
しかし、単なる「米軍と現地の協力者」という枠組みでは語りきれない何かが、画面の端々から漂ってきます。
ここでは、物語の展開を一切明かすことなく、なぜ開始数分でこの世界観に引き込まれてしまうのか、その要因を紐解いていきます。
ガイ・リッチー監督が描く「戦場」と「絆」のリアル
ガイ・リッチー監督といえば、『スナッチ』や『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のような、群像劇をスピーディーなカット割りとウィットに富んだ会話劇で回す、スタイリッシュな作風を思い浮かべる方が多いでしょう。
私自身も彼の大ファンで、あの独特のテンポ感を期待して新作を待つ一人です。
しかし、本作『コヴェナント/約束の救出』において、彼はその「手癖」とも言える演出を封印しています。
ここにあるのは、乾いた砂埃の匂いまで漂ってきそうなリアリズムと、息をするのも忘れるほどの重厚な緊張感です。
「ガイ・リッチーらしさがないなら見る意味がないのでは?」
そう感じる方もいるかもしれません。
ですが、断言します。
これは監督が長年のキャリアで培った「男たちの関係性を描く技術」が、シリアスな舞台で極限まで昇華された結果なのです。
彼が得意としてきた「相棒(バディ)もの」の要素はそのままに、軽口やジョークを削ぎ落とし、代わりに「視線」や「沈黙」で語り合う男たちの絆を描き出しています。
派手な演出を抑えたからこそ、戦場という極限状態における人間の脆さと強さが、痛いほどダイレクトに伝わってくるのです。
この「静かなるガイ・リッチー」の演出手腕には、映画ファンであればあるほど唸らされるはずです。
息詰まる緊張感!ジェイク・ギレンホールの演技力
主人公のジョン・キンリー曹長を演じるのは、名優ジェイク・ギレンホールです。
彼は『ナイトクローラー』での狂気的なパパラッチ役や、『プリズナーズ』での執念深い刑事役など、一筋縄ではいかないキャラクターを演じさせたら右に出る者はいない俳優です。
本作でも、その演技力は遺憾なく発揮されています。
しかし、それは「叫び」や「号泣」といった分かりやすい感情表現ではありません。
プロフェッショナルな軍人として感情を押し殺そうとする中で、ふとした瞬間に漏れ出る焦燥感、責任感、そして恐怖。
特に「目」の演技が凄まじいのです。
彼の瞳が揺らぐたびに、観客である私たちも同じような不安に駆られ、彼が決意を宿した瞬間には、画面越しに体温が伝わってくるような錯覚に陥ります。
ジェイク・ギレンホールという俳優は、観客をキャラクターの精神状態に同調させる天才です。
彼が演じるキンリー曹長が感じる喉の乾きや疲労感までもが、Amazonプライム・ビデオを観ている私たちのリビングにまで侵食してくるような、凄まじい没入体験を約束してくれます。
言葉を超えた信頼関係が胸を打つ
本作のもう一人の主役と言えるのが、通訳のアーメッドです。
「通訳」という仕事は、単に言葉を訳すだけではありません。
文化の違いを埋め、時に交渉し、部隊の命運を握る重要なポジションです。
しかし、現地の人々からは裏切り者とみなされ、米軍からは完全に信用されるわけではないという、非常に危うい立場にあります。
この映画が描く「信頼」は、甘っちょろい友情ごっこではありません。
お互いに腹の底を探り合い、反発し合いながらも、生き残るために背中を預けざるを得ない状況。
そこから生まれる、言葉を超えた、理屈を超えた結びつき。
ビジネスライクな関係が、いつしか「契約(コヴェナント)」以上の何かに変わっていく様は、これまでのどんなバディ・ムービーよりも切実で、胸を締め付けられます。
セリフで説明するのではなく、行動で示す信頼。
これこそが、映画というメディアが表現できる最大のカタルシスではないでしょうか。
『コヴェナント/約束の救出』を見る前に知っておきたい魅力

さて、ここからは視点を少し変えて、ストーリー以外の要素、つまり映像や音楽、そしてこの作品が持つテーマ性について深掘りしていきましょう。
Amazonプライム・ビデオで映画を選ぶ際、「映像がチープではないか」「音楽で盛り上げてくれるか」は重要なポイントですよね。
この作品は、映画館の大スクリーンで観るべきスケール感を持っていますが、自宅のテレビやタブレットで観てもその迫力は一切損なわれません。
むしろ、パーソナルな空間で観るからこそ、登場人物たちの息遣いが近くに感じられるという利点すらあります。
音楽と映像美が織りなす独特のサスペンス体験
本作の音楽を担当しているのは、クリストファー・ベンステッド。
『アラジン』や『ジェントルメン』でもガイ・リッチーとタッグを組んでいますが、今回のスコア(劇伴)は一味違います。
弦楽器を多用した不穏で重低音の効いた音楽が、全編を通して鳴り響きます。
これが単なるBGMではなく、まるで登場人物の心臓の鼓動のように、あるいは忍び寄る敵の足音のように、観る者の不安を煽り立てます。
美しいアフガニスタンの山岳地帯の風景と、この不穏な音楽のコントラスト。美しくも残酷な戦場の風景が、視覚と聴覚の両面から私たちを圧倒します。
特にサスペンスフルなシーンにおける「音」の使い方は秀逸です。
静寂と轟音の使い分けが巧みで、思わず息を止めてしまう瞬間が何度もあるでしょう。
自宅で鑑賞する際は、ぜひ部屋を暗くして、できればヘッドホンや良質なスピーカーで、この「音響体験」に浸ってください。
ダール・サリム演じる通訳アーメッドの圧倒的存在感
ジェイク・ギレンホールが「静」と「動」の演技なら、通訳アーメッドを演じるダール・サリムは「岩」のような存在感です。
イラク出身のデンマーク俳優である彼は、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、本作を観れば間違いなく彼のファンになるでしょう。
アーメッドは多くを語りません。
しかし、その佇まい、銃の構え方、そしてふとした瞬間に見せる家族への眼差しだけで、彼が背負っている過去や覚悟を雄弁に物語ります。
「主演は二人だ」と言っても過言ではないほど、彼の演技は力強い。
ハリウッドスターであるジェイク・ギレンホールと対等に渡り合い、時に彼を食うほどの存在感を放つダール・サリム。
この二人の演技のぶつかり合い(ケミストリー)こそが、本作最大の魅力の一つです。
彼が演じるアーメッドがどのような行動を取り、それが物語にどのような影響を与えるのか。
それはぜひ、本編で目撃してください。
彼の「行動」一つ一つが、あなたの心に深く刻まれるはずです。
映画『コヴェナント/約束の救出』はこんな人におすすめ
最後に、この映画がどのような気分の時に最適か、まとめておきたいと思います。
- 「正義とは何か」を考えさせられる重厚なドラマが観たい人
- 言葉数少ない男たちの、行動で示す熱い絆に涙したい人
- 予定調和ではない、手に汗握るサバイバル体験を求めている人
- 映像、音楽、演技、全てが高水準な映画で満足感を得たい人
もし、あなたが「今日はスカッと爽快なアクション映画で頭を空っぽにしたい」と思っているなら、本作は少し重すぎるかもしれません。
しかし、「映画を観た後に、何か大切なものが心に残るような体験がしたい」と思っているなら、これ以上の選択肢はありません。
物語が終わった後、エンドロールを眺めながら、しばらく立ち上がれなくなるような余韻。
そんな贅沢な時間を過ごせることを約束します。
傑作『コヴェナント/約束の救出』は週末の鑑賞に最適
Amazonプライム・ビデオのウォッチリストに、まだこのタイトルが入っていないなら、今すぐ追加することをおすすめします。
『コヴェナント/約束の救出』は、単なる戦争アクション映画ではありません。
一人の人間として、他者に対してどのような責任を持つべきか、そして「約束」という言葉がいかに重く、尊いものであるかを問いかける傑作です。
2時間という時間は決して短くはありませんが、この映画に関しては「長かった」とは感じないはずです。
むしろ、濃密すぎて時間の感覚を忘れてしまうでしょう。
今夜、あるいは次の週末、部屋の明かりを消して、ジョン・キンリーとアーメッドの運命の旅路に同行してみてください。
それはきっと、あなたの映画ライブラリーの中でも特別な一本になるはずです。
記事は投稿した当時、amazonプライムビデオで配信されていたものです。
現在配信されているか最新の状況は、必ずamazonプライムビデオサイトにてご確認をお願いします。


